レスメド(ResMed)社製のAirSense10とAirMini‐2つのCPAP(シーパップ)を徹底比較‐何がどう違う?

こんにちは!
さて、最近よくいただくお問合せがあるのですが、それがこちら↓

「レスメド(ResMed)社製のAirSense10AirMini、何がどう違うのでしょうか? どちらにしようか迷っています」

フィリップス社製のCPAPリコール問題以降、注目が集まっているレスメド社製の2機種。

一般的にAirSense10は自宅などで使う据え置き用AirMiniは移動時の携帯用といわれていて、かなり違うようにも見えます。

しかし、実は機能面では似ている点もあり、選ぶのが難しいのは確か。
そこで、今回はこちらの2機種の違いについて掘り下げてみます!

先に2つの機種の比較表を載せておきます。
気になるトピックからチェックしてみてください。

【AirSense10とAirMini比較表】

【AirSense10とAirMini比較表】AirSense10:圧の調整機能 ほぼ全自動のAuto Setなど3種類|EPR機能 あり|ランプ機能 あり 細かい調整が可能|マスクフィット機能 あり|スマートスタート&ストップ機能 あり|サイズ|縦11.5cm、横20.5cm、奥行き15cm、約1200g|加湿機能 水を入れて使う加温加湿器、8段階で調整可能、自動温度制御システム搭載、加温チューブの併用可能、 飛行機内では使用不可|加湿機能のランニングコスト 1950円/月 精製水|マスクの種類 19種類|ノイズ 26.6 dB|電源 ACアダプタ|外出時用の電源(オプション品) 外付けバッテリー、シガーソケットのDCコンバータ|操作方法 本体のダイヤル ||AirMini:圧の調整機能 ほぼ全自動のAuto Setなど3種類|EPR機能 あり|ランプ機能 あり 3段階調整|マスクフィット機能 あり|スマートスタート&ストップ機能 あり|サイズ|縦8.4cm、横13.6cm、奥行き5.3cmで、重さ約300g|加湿機能 水なし加湿フィルタ、2段階で調整可能、専用加温チューブなし、 飛行機内で使用可能|加湿機能のランニングコスト 2150円/月 使い捨てフィルター|マスクの種類 7種類|ノイズ 38 dB|電源 ACアダプタ|外出時用の電源(オプション品)シガーソケットのDCコンバータ|操作方法 スマホアプリ 本体でon/off

CPAP LABでは、AirSense10とAirMini、関連アクセサリーを豊富に取り揃えています。CPAP単体のほか、鼻マスクや鼻ピローマスクとセットになったパッケージもお選びいただけます。ぜひ、チェックしてみてください!

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▽ レスメド社ってなに? という方はこちらのコラムもご覧ください。

■目次■
AirSense10とAirMiniの共通点
 1) 圧のコントロール機能
 2) 快適な呼吸をサポートする機能
AirSense10とAirMiniの異なる点
 1) サイズ
 2) 加湿機能
 3) 互換性のあるマスクの種類
 4) ノイズ
 5) 家の外で使う時の電源
 6) 操作方法
さいごに

AirSense10とAirMiniの共通点

1)圧のコントロール機能

CPAPで最も重要なのが、圧のコントロール機能
実はAirSense10とAirMiniはまったく同じ機能が搭載されています

Auto Setは、自動でちょうど良い圧に調整してくれるモード。
必要な圧は睡眠の状態や体位などで変わりますが、このAuto Setモードは、一呼吸ごとに上気道の状態を解析してちょうど良い圧に調整してくれるという優れものです。

このほか、2機種ともAuto Set Fモード(圧の変化が緩やかなモード)、CPAPモード(圧が固定のモード)も搭載されていて、全部で3種のモードから選べますが、この調整は基本的にかかりつけ医と相談して行うようにしてください。

2)快適な呼吸をサポートする機能

・EPR(Expiratory pressure relief)機能

息を吐く際に自動的に圧が下がるEPR(Expiratory pressure relief)機能を搭載。快適な呼吸をサポートしてくれます。

これは、「空気が入ってきて、息が吐きづらい!」という悩みに対応した機能で、個人的には快適に息を吐くことができると感じています。

・ランプ機能

また、入眠しやすくするランプ機能も搭載。
これは、CPAP装置では一般的でいろんなメーカーが実装している機能ですが、心地良く入眠するためには必須。

低い圧から送気をスタートし、入眠を感知してから圧を規定値まで徐々に上げてくれるというもので、「いったん入眠しても、圧が気になって目が覚めてしまう」という方は設定時間を長くすることもできます。

Airsense10、AirMiniともに搭載されていますが、AirSense10の方が細かい時間設定が可能です。個人的には入眠までにかかる時間は毎日違うので、AUTOの設定にしています。

・マスクフィット機能、スマートスタート/ストップ機能

マスクからのリーク(空気漏れ)がないかをチェックできるマスクフィット機能、マスクを付けたら自動的に治療がスタートして、外したら止まるスマートスタート/ストップ機能も両機種とも搭載しています。

以上、両機種に共通する点を3つご説明しました。
次は、異なる点についてみていきましょう。全部で6項目あります。

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AirSense10とAirMini‐異なる点

1) サイズ

見た目から全く異なるのが、そのサイズ。

AirSense10の大きさは、縦11.5cm、横20.5cm、奥行き15cm、重さは約1,200g。
AirMiniは、縦8.4cm、横13.6cm、奥行き5.3cmで、重さは約300g。

携帯用とされるAirMiniは、重さ、大きさ共にざっくりとAirSense10の4分の1のサイズです。
持ち運びしやすく、また狭い場所でも設置できます。

2)加湿機能

機能的な違いで最も大きいのが加湿機能です。

・AirSense10の加温加湿器

AirSense10は、従来のCPAP装置と同じく、水を温めて蒸気で加湿&加温します。



AirSense10の加温加湿器は結構高性能で、部屋の環境に合わせて湿度を細かく制御するClimate Controlという機能を搭載しています。加湿レベルは8段階で微調整が可能。

また、冬場に困るチューブ内の結露は、チューブ自体が温かくなる加熱チューブClimateLine(別売り)で対応できます



鼻の粘膜が弱くて1年中加温加湿器が手放せない、湿度を細かく調整したいという方はAirSense10が良いでしょう。

・AirMiniの加湿システム「Humid X」

一方、AirMiniは、水を使わず、自分が吐いた息に含まれる湿度と温度を再利用する特殊なフィルター式の加湿器Humid Xを使用します。


Humid Xには、より高い湿度を供給できるHumid X Plusというタイプがあり、この2タイプのフィルターを使い分けることで湿度の調整ができます。例えば、冬場はHumid X Plus、夏場はHumid Xという感じです。Airsense10のような細かい湿度の調整はできませんし、加温機能もありません。

とはいえ、Humid Xにもメリットは多いです。
まず、水を使わないため、加湿器を毎日洗って乾かす手間が省けます
毎日のことなので、この差は結構大きいといえます。

2つ目は、水を使わないので飛行機や車など不安定な場所でも加湿器を使用できます
Airsense10も飛行機内で使用できますが、不安定な状態で加湿器を使うとCPAP装置内に水がこぼれて壊れる可能性があるため、加湿機能は使用できません。乾燥する機内で加湿器を使いたいならAirMiniが良いでしょう。


加湿器を使うメリットについてはこちらのコラムもご覧ください。


加湿機能1ヵ月のコスト比較

気になるのが、加湿器を使用する場合の両機種のランニングコスト。

AirSense10は、加温加湿器に入れる精製水を購入する必要があります。
一方、AirMiniは使い捨てのフィルターHumid Xが必要になります。

AirSense10
1,950円/月

加湿器の容量390ml
 精製水(18L)約3,000円
⇒1,950円

AirMini
2,150円
/月

加湿フィルターHumid X
(6個セット12,900円)
1月毎に交換⇒2,150円


3)互換性のあるマスクの種類

AirSense10は、基本的にAirMini専用のマスク以外はすべて使用できます。2022年6月現在、レスメド米国版のウェブサイトによると19種類のマスクがあります。

一方、AirMiniは、加湿器Humid Xのアダプターが必要なのと、チューブの差込口が特殊なため、使用できるマスクは限られます。現時点でAirMiniに使用できるマスクは7種類です※1。

とはいえ、AirMiniのマスクには鼻マスク、鼻ピロー、フルフェイスが揃っていますし、どのマスクも定評があるものばかり。7種類あれば、自分に合うものが見つけられるでしょう。

CPAPのマスクの選び方についてはこちらもご参照ください。

4)ノイズ

CPAPがうるさいと感じている方もいますが、それぞれの騒音レベルは…?

AirSense10は、26.6 dB。
一方、AirMiniは38 dBとなります。

以下の動画では、AirMiniとAirSense10の音を比べていますので、ぜひ参考にしてみてください。

なお、音の大きさの目安は以下のような感じです。

30 dB:非常に小さく聞こえる 郊外の深夜、ささやき声
40 dB:聞こえるが会話には支障なし 市内の深夜、図書館、静かな住宅地の昼間
(出典)日本騒音調査


ただ、これはCPAP装置自体から出る音のみの数値です。
実際には息を吐くたびにマスクの呼気ポートから出る音もあるので、CPAP治療の際に出る音の数値はもう少し大きくなります。

「レスメドのAirMiniは小型機なので、うるさいかも……」

と心配になるかもしれませんが、AirMiniを使用している私の個人的な感想は
「エアコンを付ければ、AirMiniの音はほぼ聞こえない」です。

普段から寝るときに、エアコン、空気清浄機、加湿器などを使っているのであれば、気にならない程度の音だと思います。

また、呼気音が静かなことで定評があるマスクなどを利用することで、ノイズを小さくするなどの工夫も可能です。

詳しくは以下のマスク選びについてのコラムをご覧ください。

\AirMiniとAirSense10の商品一覧はこちら/

5)家の外で使う時の電源


最近キャンプが人気ですが、キャンプの際にCPAPを使用したい方もいるはず。

そんな方におすすめなのが、レスメドが販売する車のシガーライターから電源を取れるDCコンバーター※2、※3。両機種ともに専用のコンバーターがあります。

さらに、AirSense10には純正のポータブルバッテリーも販売されています。
AirMini用の純正ポータブルバッテリーは今のところまだありませんが、汎用品がさまざまなメーカーから発売されています。

上記の3点の純正の電源アクセサリーもCPAP Labのサイトには掲載していませんが、お見積り可能です。ご興味がある方はお気軽にお問い合わせください。

6)操作方法


AirMiniは基本的にスマホのアプリから操作する仕様なのに対して、AirSense10はCPAP装置本体のパネルとダイヤルで操作します。

とはいえ、圧も湿度もランプ機能も、自動で調整してくれるAUTO設定があるので、それで快適なら特に調整する必要はないと思います。また、どちらの機種も操作は難しくないので、操作性の違いはそれほど気にしなくて良いかと思います。

なお、AirMiniのアプリの使い方は以下のコラムでご紹介しています🔽

さいごに


以上、Airsense10とAirMiniがどう違うのか見てきましたが、CPAPユーザーさんの中にはこの2つの機種を両方所有している方もいます。

普段自宅で使うのはAirSense10、出張や旅行、セカンドハウスなどで使う持ち運び用CPAPとしてAirMiniを使うという方が多いようです。

どちらがおすすめ! というのではなく、ユーザーさんのライフスタイルに合わせてぴったりの機種を選んでいただければと思います。

CPAP LABでは、AirSense10とAirMini、関連アクセサリーを豊富に取り揃えています。CPAP単体のほか、鼻マスクや鼻ピローマスクとセットになったパッケージもお選びいただけます。ぜひ、チェックしてみてください!

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【参考資料】

※1 AirMini Mask Packs

※2 ResMed battery & converters

※3 AirMini DC Converter

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