CPAPのクリーニングが大切な理由
CPAPを使う上で欠かせないのが毎日のお手入れ。
皮脂やほこりなどによりマスクやCPAP装置内部にカビが生えたり細菌が繁殖したりすると、感染症を引き起こす原因ともなりかねません。
さらに、マスクに皮脂が付いたまま使用すると、空気漏れの原因となります。
また、適切に手入れすることでCPAP装置やマスクが長持ちするという利点も。
日々のお手入れ方法を今一度、見直してみましょう!
フィリップス製CPAP装置のリコール騒動で注目されたのが「オゾン殺菌」。
オゾンの殺菌作用を利用したクリーナー装置を使うクリーニング方法です。
オゾンの効果で殺菌はできるものの、CPAP装置内部の部品を劣化させることが分かっており、CPAPメーカーのフィリップスやレスメドはオゾンによるクリーニングを推奨していません。
また、メーカーによってはオゾンクリーナーを使用した場合は保証対象外となります。
また、アルコールやベンジン、塩素系洗剤も劣化の原因になりますので、絶対に使わないようにしてください。
今一度、取り扱い説明書のクリーニング方法を見直してみましょう!
CPAPのクリーニング- 準備するもの
クリーニングのために特別なものを購入する必要はありませんが、香料や着色料などが添加されていない体に優しいものを選びましょう。
- ・中性洗剤:台所洗剤でOK。無香料、無着色だとより〇。
- ・ぬるま湯:30度程度。
- ・バスタオルなど:糸くずが出にくい素材のものを用意。洗ったパーツの水分を拭き取って乾かします。
- ・ハンガーなど:チューブをかけて干します。
- ・柔らかいブラシ:ヘッドが小さいものがおすすめ。※必要に応じて用意
- ・ウェットティッシュ:香料やアルコールが添加されていないもの。※必要に応じて用意
- ・食用酢:加湿器の水タンクのクリーニング用。※必要に応じて用意
クリーニングする際の注意点
クリーニングに取り掛かる前に、確認したいのが以下の注意点。
きれいにしたいと思うあまり、直射日光に当てたり、強い薬剤を使ったり、熱いお湯を使ったりするのはNGです。以下でご説明するように、優しくきれいにしてあげましょう。
- ・本体の電源を切ってからクリーニングを始めましょう。
- ・完全に乾かないうちに使用するとカビが発生する原因になります。クリーニング後、十分に乾かす時間を確保しましょう。
- ・使用するぬるま湯の温度は30度程度。
- ・アルコールやベンジン、塩素系洗剤は劣化の原因になるので使用しないようにしましょう。
- ・マスクはマニュアルに従い分解して洗いましょう。つなぎ目など複雑な部分も洗いやすくなります。※分解できないマスクもあります。
- ・チューブ、マスクなどは直射日光を避けて日陰で乾かしましょう。
では、毎日、週1回、月1回のお手入れ方法をご説明していきますね!
毎日のお手入れ
◆ マスク
① マニュアルに従って分解し、肌に直接触れるマスクパーツを洗います。
※ヘッドギアのクリーニングは週一回でOK。
② ぬるま湯に中性洗剤を少量加えて混ぜ、マスクを浸し、指でやさしく洗って皮脂を取り除きます。細かい部分は、ヘッドの小さい柔らかいブラシを使ってもいいでしょう。
③ きれいな水でよくすすいでタオルなどで水分をふき取り、日陰で完全に乾かします。
◆ 加湿器の水タンク
① ぬるま湯に中性洗剤を少量入れて混ぜ、水タンクを洗います。
② きれいな水でよくすすいでタオルなどで水分をふき取り、日陰で完全に乾かします。
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◇時間がない場合
食洗器のデリケートモードで洗います。
※食洗器の使用ができないタイプもあります。マニュアルをご確認ください。
※水タンクを洗う時間がどうしてもとれない日でも、必ずいったんタンクを空にして乾燥させ、新しい蒸留水を使用するようにしましょう。
◆ エアチューブ(呼吸回路)
ハンガーなどにかけて日陰で乾かします。
週1回のお手入れ
◆ ヘッドギア
①ぬるま湯に中性洗剤を少量入れて混ぜ、ヘッドギアを数分間浸します。
②手でやさしく洗います。
③きれいな水でよくすすいでタオルなどで水分をふき取り、日陰で完全に乾かします。
◇時間がない場合
洗濯用ネットに入れて洗濯機で洗うこともできます。
※洗濯機でのクリーニングができないヘッドギアもあります。マニュアルをご確認ください。
◆ 加湿器の水タンク
加湿器に水道水を使用するとミネラル分(白い粉状のもの)が沈殿することがあります。その場合は、食用酢を使ってクリーニングしましょう。
① 食用酢と水を 1:10 の割合で薄めます。
②水タンクを30分程度浸し、内側をよくこすり洗いします。
③ きれいな水ですすいで、タオルなどで水分をふき取り、日陰で乾かします。
◆エアチューブ(呼吸回路)
① ぬるま湯に中性洗剤を少量入れて混ぜ、エアチューブを洗います。
② チューブ内部にもぬるま湯を入れ、チューブを動かして内部も洗います。
③きれいな水でよくすすいでタオルなどで水分をふき取り、日陰で完全に乾かします。
◆再利用フィルター
再利用フィルターは1週間に1度程度汚れ具合をチェック。
汚れていたらぬるま湯で洗い、日陰で完全に乾かしてからCPAP装置に装着します。
◆使い捨てフィルター
使い捨てタイプのフィルターは、1ヵ月ごとの交換が推奨されていますが、週に1回はチェックし、汚れがひどい場合は1ヵ月以内でも交換しましょう。※使い捨てフィルターは水で洗うことはできません。
月1回のお手入れ
◆再利用フィルター
機種やフィルターの種類にもよりますが、6ヵ月ごとの交換が推奨されています。月に一度はフィルターの状態をチェックし、破けたり穴があいたりしたら交換しましょう。
◆ 使い捨てフィルター
最低でも1ヵ月に一度は交換しましょう。
※喫煙やペットを飼っているなどほこりっぽい環境、湿度が高い環境ではフィルターの交換頻度は高くなります。
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◆ 装置本体
中性洗剤入りのぬるま湯に浸して固く絞ったタオルで表面を拭きます。
または、ウェットティッシュ(アルコール無添加のもの)を使ってもOK。
◆ 装置全体の点検
亀裂やへこみなどがないか点検しましょう。
エアチューブなどは半年から1年ごとの交換が推奨されています。
CPAPを「快眠のパートナー」だと思ってお手入れしよう!
以上、CPAPのクリーニング方法とコツをご紹介しました。
機種やマスクの種類、素材によっては推奨のクリーニング方法が異なるので、必ず付属のマニュアルをご確認くださいね!
CPAPを使い始めたばかりだと、クリーニングに時間をかけるのが面倒くさいと感じるでしょう。
しかし、CPAPを使うということは、1日の3分の1の時間、ず~っとCPAPから出てくる空気を吸っているということです。健康のためにもできるだけきれいな空気を取り込みたいですよね! だからこそ、CPAPのクリーニングは重要なのです。
CPAPを「快眠のパートナー」だと思って、クリーニングしつつ、劣化がないかなど、日々気にかけてあげてください。そうすることで、きれいな空気を吸って気持ちよく眠りにつくことができますし、CPAP装置も長く使えるでしょう。
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参考資料