CPAP大手のレスメド(ResMed)徹底解剖!

最終更新日:2023年11月6日


2021年6月に公表されたフィリップス(Philips)社製CPAP装置のリコール問題

以下で解説しますが、このリコール問題で、フィリップスのCPAP装置の代替えとして一気に注目度が上がったのがレスメド(ResMed)です。

世界のCPAP業界の2トップはフィリップスとレスメドなのですが、シェーバーなど身近な家電製品でおなじみのフィリップスに比べて、レスメドの日本での認知度は低いと思います。

そこで、今回はレスメドがどんな企業なのか、そしてレスメドのCPAP装置やマスクの注目ポイントなどをご紹介します。

■目次■

CPAPの誕生とレスメドの創業

レスメドは1989年にオーストラリアで創業しました。

創業は比較的最近ですが、CPAPというまったく新しい医療機器が製品として世に出回るまでには、多くの研究が重ねられてきました。

1981年にCPAPを発明したのはシドニー大学のコリン・サリバン医師。

レスメドの公式ホームページによると、レスメドの創業者が所属するオーストラリアの研究所が1987年からサリバン医師の研究を支援していたそうです。

参考:レスメドのストーリー(レスメド日本公式ページ)

余談ですが、このコリン・サリバン医師の母親は睡眠障害が原因で亡くなったそう。

医学部で学んでいたサリバン医師は、母親の死をきっかけに睡眠医療の道へ進むのですが、当時は睡眠時無呼吸症候群の治療として、気管切開の手術が行われていました。「もっと侵襲性の低い治療法はないか」と研究を重ね、たどり着いたのがCPAPでした。

参考:CPAPの歴史(横浜市ウェブサイト)

サリバン医師の研究の成功を受け、1980年代半ば頃からCPAPの開発が急速に進み、当初は大きくて送風音が大きかったCPAP装置が、小さく、静かなものに改良されていきます。

1989年、研究機関でのCPAP事業を引き継いで創業したレスメドは、CPAP装置の開発製造を行い、1990年には拠点をアメリカのカリフォルニア州に移転。

現在では、CPAPに加え人工呼吸器も製造しており、製造拠点は4カ国(アメリカ、オーストラリア、シンガポール、フランス)、世界140カ国以上で事業を展開するまでに成長。

CPAPのリーディングカンパニーの地位を確立しています。

睡眠時無呼吸症候群の患者は世界に約9億人で、そのうち積極的な治療が必要な重症SASは約4億人ともいわれています。しかし、CPAPで治療をしている割合はまだわずか。今後CPAP装置の需要は世界的にどんどん増えていくと予想されます。

それに伴い、レスメドなどCPAPのメーカーも成長していくでしょう。

日本におけるレスメド

日本では、2000年にレスメドの日本法人が設立されています。

日本でCPAP療法を行う場合、保険診療では患者が医療機関からCPAP装置本体をレンタルするシステムになっています。レンタルされるCPAP装置は販売業者が医療機関に卸しており、日本のレスメドはそのCPAP装置の選任製造販売業者として、流通責任を担っています。

ちなみに、上記のような制度の関係で、レスメドのCPAP装置は、日本では世界市場とは別の名前でも流通しています。

CPAP注文の流れーCPAP装置本体の注文の流れとは

例えば、CPAP Labでご紹介しているレスメドのAirSense 10は、日本では「スリープメイト10」「AirSense 10 レスポンド」、AirMiniは「スリープメイトAirMini」としても知られています。


これらのCPAP装置は、名前のほか、細かい仕様が異なる場合もありますが、基本的な機能は同じです。

レスメドのCPAP装置とマスクはここがすごい!

レスメドがCPAPのトップ企業なのは、先駆者だからという理由だけでありません。

CPAP装置やマスクの質には定評があり、リピーターも多いのです。

最後に、レスメドの人気商品のおすすめポイントをいくつかご紹介しましょう。

世界最小クラスのCPAP装置、AirMini

CPAP装置AirMiniの特徴はなんといってもそのサイズ。

大きさはスマートフォンを4つ重ねたくらいで、重さはスマートフォン1つ分より少し重い300グラム程度

出張や旅行などの際の持ち運びに便利なだけでなく、小さいので使用中でも置き場所に困る事はありません。小さくても機能はしっかりしており、サブ機としてはもちろん、普段使い用にもできます。

AirMiniのこの小ささは、水不要の特殊な加温加湿器、HumidXによって可能になりました。

HumidXは、ペットボトルのキャップくらいと極小サイズ。これをマスクとホースのつなぎ目に取り付けるだけです。

AirMini専用 HumidX 水なし加湿器6個入り(使い捨てタイプ)|ResMed

AirMiniのデメリットは、マスクの選択肢が少ないことと、加湿器は使い捨てなのでその分のコストがかかること。

とはいえ、AirMini用のマスクは非常に評判が良いですし、使い捨て加湿器はメンテナンス不要なのでお手入れの時間を大幅に節約できます。

フルフェイスマスクの決定版、エアーフィット F20

エアーフィット F20は世界的に評価が高いフルフェイスマスクです。

ユーザーのことを考えて作られたことがよく分かる使い心地で、発売から数年たってもリピーターが多い人気アイテムです。

ポイントは以下の6点。

  • ・静音設計
  • ・脱着しやすいマグネットを採用
  • ・マスクを着けたままチューブだけ外せる
  • ・おでこにヘッドギアがない解放感
  • ・AirMini対応
  • ・マスクかぶれしにくいクッション

一番の注目ポイントは、マスクを着けたままチューブだけを簡単に取り外せる点。夜間にトイレによく行く方にはありがたい仕様ですね。

フィリップス(Philips)社製CPAP装置のリコール問題とは

前述の通り、2021年6月にフィリップス社からCPAP装置のリコール発表されました。

日本国内でリコール対象となっているのはCPAP装置のほか、人工呼吸器など24機種、合計約36万台。

フィリップス社は、日本国内での対応として「安全上の問題のない防音用発泡体を用いた改善品への置き換えのための是正(回収)措置」を実施するとしています。

この問題により、業界トップ2であるレスメドの知名度は世界的にかなり上がったと言えるでしょう。

リコールの詳細については、こちらのコラムにまとめています ▽

さいごに

以上、CPAPの大手企業、レスメドについてご紹介してきました。

CPAP装置の先駆け的存在なだけでなく、ユーザー目線で「眠れるCPAP装置」を追求して来たレスメド。だからこそリピートして使い続けるユーザーが多いのだと思います。

CPAP療法は不快感やメンテナンスの煩わしさなど、使っていくうえで困りごとが無いといえば嘘になるとは思いますが、この装置の発明がなければ気管を切開していたのかもしれないとすれば、ありがたい存在だと思えるハズ!?です。


CPAP Labでもレスメドの商品を多数ご紹介していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。


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参考資料
ResMed公式ホームページ

ResMed(Wikipedia、英語)

Sleep apnea(Wikipedia、英語)

Philips and ResMed may lose share in growing market for sleep tech: survey(MedTech Dive、英語)

Is Philips’ Loss ResMed’s Gain in Sleep Apnea Devices?(Medical Device + Diagnostic Industry 、英語)

CPAP Devices Market Size 2021 with a CAGR of 7.6%, Top Companies data report covers, Market-specific challenges, Technology, Latest Trends and Forecast 2027(WBOC 、英語)

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