CPAP(シーパップ)治療を始めたばかりの方の中には、「マスクが気になって眠れない」「鼻や喉が乾燥してつらい」「花粉症の時期が特につらい」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
私自身、CPAPユーザーとして治療を始めた当初は、毎晩マスクと格闘する日々でした。マスク装着の違和感や鼻・喉の症状に悩まされ、「本当に続けられるのだろうか」と不安になる気持ちも、痛いほどわかります。
本記事では、そんなCPAP初心者の方が治療に慣れ、快適に続けていくためのコツや、よくあるトラブルへの対策について、実体験を交えてご紹介します。無理なく、前向きに治療を続けるために、ぜひ最後までご覧ください。
- ■この記事を読んでほしい人■
- 〇マスクや空気圧に慣れないCPAP初心者の方
- 〇CPAPによる乾燥やアレルギー症状にお悩みの方
- 〇CPAPを快適にするアイテムや日々の工夫を知りたい方
■目次■
・CPAPに慣れるための3つのコツ
・1. マスクの違和感を減らす工夫
・2. 空気圧に慣れるには段階的に
・3. 日常に取り入れる小さな工夫
・CPAP周辺機器を使ってわかったこと
・「加温チューブ」
・「加湿器」
・よくある悩みとその解決策
・鼻炎・花粉症がある場合の対策
・鼻や喉の乾燥・痛みの対策
・医師に相談すべきタイミングと伝え方
・治療は「慣れ」で変わる。前向きに取り組もう
CPAPに慣れるための3つのコツ

CPAP治療を成功させるためには、まずCPAPを使用することに慣れることが必要不可欠です。ここでは、CPAPに慣れるための3つのコツをご紹介します。
1. マスクの違和感を減らす工夫
CPAP治療において、最初に立ちはだかるのが「マスクの装着感」でしょう。私も最初は息苦しさを感じたり、うまく装着できずに寝返りで外れてしまったりと、試行錯誤の日々でした。
以下のポイントを留意することで、マスクの違和感を解消でき、快適さがぐっと向上しました。
- ・装着前に位置を微調整:寝た状態で最後に装着調整すると、ズレにくくなります
- ・装着後すぐに寝ようとしない:寝る前に10分程度つけて読書することで、身体が慣れやすくなります
- ・マスクの種類を見直す:(私の場合)鼻マスクをフルフェイスマスクに変えたことで、鼻周りにマスクが貼り付く違和感がなくなりました
マスクの種類については、人により好みが分かれるため、いくつかの種類を試して自分に合ったマスクを選ぶのが効果的です。
2. 空気圧に慣れるには段階的に
「CPAPの空気圧が強すぎる」と感じることはありませんか。私は最初、息を吸うのも吐くのも苦しくて、眠ろうとしているのに逆に目が冴えてしまうことがありました。
そんなときに役立ったのが、CPAP本体の「ランプ機能」や「オートスタート機能」です。これは寝入りに近い状態まで、空気圧を低めに設定してくれる機能で、違和感を軽減してくれます。
また、治療に慣れるまでは、多少寝付きに時間がかかっても気にせず休める週末などを中心にCPAPを装着しました。平日の夜も毎日CPAPを装着はしますが、苦しくて眠れない場合は無理せず、途中で外すことで苦痛を減らしたため、継続しやすかったです。
3. 日常に取り入れる小さな工夫
CPAPは「寝るときだけの機器」ではありますが、日中から快適な睡眠環境を整えておくと、スムーズに治療へとつながります。
- ・寝具を吸湿性の高い素材にする
- ・就寝前のスマホやカフェインを控える
- ・毎日必ずベッドに横になるタイミングでCPAPを装着する
- ・マスクやホースの点検・洗浄を習慣化する
こうした日常の小さな工夫も、CPAP治療への「慣れ」につながります。特に、毎日行う行動とセットにしてCPAPの装着や手入れを組み込むと、習慣化しやすくなるでしょう。
私は、以下のルーティンを追加したところ、うまく継続できました。
- ・ベッドに入る前にアロマの準備と一緒にCPAPの加湿器に水を補充する
- ・朝の身支度をするルーティンに加湿器の水を捨てる
- ・洗顔時にマスクを洗浄する
モーニングルーティンやナイトルーティンに組み込むと、自動的に動作ができるのでおすすめです。
CPAP周辺機器を使ってわかったこと

私は現在、ResMed社の加温チューブと加湿器を使用しています。初心者の私にとって、これらの周辺機器はまさに「快適の鍵」でした。
ここでは、それぞれの使用感、おすすめポイント、注意点について、ご紹介します。
【加温チューブ】
使用感:
- ・室温が低い日でもホース内で水が結露せず、鼻の冷えを感じなくなった
- ・加温された空気により、鼻や喉の乾燥と違和感が明らかに軽減した
おすすめポイント:
- ・冬場や冷房使用時に鼻や喉が乾燥しやすい方
- ・アレルギーなどで鼻づまりになりやすい方
注意点:
- ・機器とチューブの接続部の掃除は、こまめに行う必要あり
【加湿器】
使用感:
- ・部屋の加湿だけでは改善しない鼻や喉の違和感を軽減できる
- ・取り付けや洗浄も簡単
おすすめポイント:
- ・特に冬場など乾燥が強い時期には、粘膜を傷めずに鼻や喉を保護できる
- ・CPAPから送り込まれる空気の刺激が気になる方は、鼻や喉への刺激がマイルドになり、違和感が減りやすい
※いずれの機器も効果には個人差があります。自分に合うかどうか試しながら使うことをおすすめします。
よくある悩みとその解決策

ここまで読み進めてくると、具体的なお悩みへの解決策を知りたくなることでしょう。ここでは、よくある悩みとその解決策について紹介します。
鼻炎・花粉症がある場合の対策
花粉症シーズンには、マスク内でくしゃみが止まらず不快に感じることもあります。私もスギとヒノキのアレルギーがあり、辛い時期を過ごしました。
そんなときに私が実践しているのは、以下の方法です。
- ・鼻マスクではなくフルフェイスマスクを使う(口呼吸ができるので安心です)
- ・医師に相談し、花粉症の人のためのフィルターに変更した
- ・事前に鼻うがい・点鼻薬(※市販薬は医師に確認を)でケア
- ・空気清浄機と加湿器を併用して部屋の環境を整える
また、花粉症が重い場合には、必ずかかりつけの医師へ相談し、適切な治療と併用することが大切です。
鼻や喉の乾燥・痛みの対策
CPAP使用中に喉の痛みを感じたことがあり、特に乾燥する季節は辛かったです。
私の場合、以下の対策が功を奏しました。
- ・加湿設定をやや高めに変更
- ・室内湿度を50%前後に保つ
- ・加温チューブを使用する
- ・寝る前にうがい・水分補給を忘れずに
- ・眠ると口を開けてしまうかもしれないので、フルフェイスマスクに変更した
喉や鼻の違和感が続く場合は、無理に我慢せず、早めに医師へ相談してください。
医師に相談すべきタイミングと伝え方
CPAPを続ける上で、「我慢すれば慣れる」と思ってしまいがちですが、自己判断で我慢を重ねるのはおすすめできません。以下のような症状がある場合は、迷わず医師に相談しましょう。
医師に相談すべき症状例:
- ・鼻血や激しい乾燥で睡眠に支障が出る
- ・朝起きても強い頭痛や倦怠感がある
- ・マスクの跡が皮膚に残り続ける、またはかゆみがひどい
- ・鼻づまりでCPAPを継続できない
医師に伝えるときは、以下のように率直に悩みを伝えましょう。
「使用中に喉が乾燥して痛みがあります」
「空気圧が強くて眠りにくいです」
「この時期、鼻炎の症状が悪化します」
こうした具体的な症状とタイミングを日々記録しておき、診察時に報告すると、より適切なアドバイスがもらいやすくなります。私の病院では医師の診察前に検査技師の方がCPAPの記録を見せてくれて1か月の振り返りをしながら、症状を伝える時間があったので、話しやすかったです。
そのような時間がない方でも、1か月の記録を見ながら説明できると、自分の悩みが医師に伝わりやすくなるのでおすすめです。
治療は「慣れ」で変わる。前向きに取り組もう

CPAP治療は、慣れるまでに時間がかかるものです。最初は不快なことも多いかもしれませんが、少しずつ工夫を重ねることで、自分に合った使い方が見つかります。
私自身も、トラブルを乗り越えながら試行錯誤を繰り返し、今では「寝るときにCPAPがないと落ち着かない」と感じるようになりました。快適な睡眠と日中の活力を取り戻すためにも、無理なく、前向きにCPAPと付き合っていきましょう。
そして、どうしてもつらい症状があるときは一人で抱え込まず、医師や専門スタッフに相談してください。この記事が、あなたの快眠の一助となることを願っています。
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