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呼吸が何回止まってる? SASの重症度を表すAHIって何!?

突然ですが、みなさん「AHI」って何のことかご存じですか!?

「SAS」というのは、睡眠時無呼吸症候群のことだと知っている方はわりと多いかもしれませんが、それに比べて「AHI」については、聞いたことがないという方も多いのでないでしょうか。私もその1人でした。

「AHI」は、アヒ~!とかア!ハイ!とは読みません。
エーエイチアイと読むのが一般的なようです。

では、AHIは何のことかというと、睡眠時無呼吸症候群の重症度を分類する際の指標のことなのです。

ということで、今回はそのAHIとは一体どういう指標なのか具体的に見ていきたいと思います。

目次■

AHIとは
 - AHI値とSASの重症度
 - 無呼吸と低呼吸
検査方法
さいごに

ちなみに、睡眠時無呼吸症候群の治療で使用しているCPAP(シーパップ)がうるさくて眠れない方がチェックするべきポイントをまとめました。▼詳しくはこちら▼

AHIとは

AHIは、Apnea Hypopnea Indexの頭文字です。

と言われても、ApneaもHypopneaもあまりなじみのない単語のため、これでも何のことかよく分かりません。なんとなく専門用語っぽい雰囲気ですが。

辞書を引いてみたところ、Apneaは無呼吸、Hypopneaは低呼吸という意味でした。日本語にすると、無呼吸と低呼吸のインデックス(指数)という感じですね。なんとなく分かってきました。

実際には、AHIとは、睡眠1時間あたりの無呼吸と低呼吸の合計回数のことをいいます。日本語では、無呼吸低呼吸指数といいます。

▼こちらもぜひお読みください!【太ったおじさんだけではない!】▼

AHI値とSASの重症度

この数値によって、睡眠時無呼吸症候群の症状が軽症、中等症、重症に分けられます。具体的には、こんな感じです。

軽症    5 ≦ AHI < 15
中等症  15 ≦ AHI < 30
重症   30 ≦ AHI

もし、無呼吸と低呼吸が1時間に計5回あれば、軽症ではありますが、正式に睡眠時無呼吸症候群と診断されることになります。30回以上では重症となります。

なお、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020」では、中等症以上の人はCPAPでの治療が必要とされています。AHIが15回以上でその対象ということになりますね。(※但し、CPAPの保険適用レベルは20以上とされています)

無呼吸と低呼吸

なお、無呼吸とは、文字通り呼吸をしていない状態ですが、睡眠時無呼吸症候群では、10秒以上呼吸が停止している状態を「無呼吸」と定義しています


では、低呼吸とはどういう状態なのでしょうか?

「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020」では、以下のように定義されています。

10秒以上の30%以上の気流の低下と、基準値に対して3%以上の酸素飽和度の低下あるいは覚醒反応を伴う場合、低呼吸と判定される。

なんだか、複雑で分かりにくいですね。繰り返して読んでみたのですが、まったく頭に入ってきませんでした。

簡単に言うと、無呼吸まではいかないが、呼吸がだいぶ浅くなっている状態のことをいうようです。

その「無呼吸」と「低呼吸」の合計回数によって、睡眠時無呼吸症候群であるのかそうではないのか、またそうである場合はどのくらい重症なのかを測ることができるというわけです。

検査方法

このAHIの値を計測する方法は大きく2つあります。

「簡易検査」と「ポリソムノグラフイー(PSG)」です。

簡易検査は、医療機関から検査機器を借りて、主に自宅で行なう比較的簡単な検査です。

ポリソムノグラフイー(PSG)は、1晩の入院が必要なより精密な検査です。こちらは、脳波や心電図なども調べます。

どちらの検査もAHIの値を調べることができますが、PSGと比べて簡易検査は精度が低いため、まず簡易検査を受け、詳しい検査が必要と診断された場合などに、改めてPSGを行なうことが多いようです。

さいごに

ということで、今回は睡眠時無呼吸症候群の重症度の指標であるAHI(無呼吸低呼吸指数)についての話でした。

AHIは、睡眠1時間あたりの無呼吸と低呼吸の合計回数のことで、定義などは少し分かりにくいところはありますが、いずれにしても、AHIの値は、小さいに越したことはないということだけは、お分かりいただけたのではないかと思います。

睡眠時無呼吸症候群は、重症度が高くなるほど合併症を伴うリスクも高くなるといわれています。合併症は、心筋梗塞や糖尿病など意外と多くあります。こちらのコラムで詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。

昼間の眠気が続く、夜中に何度も目が覚める、などの症状がある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。

もしそのような自覚症状がある場合は、一度検査を受けてみてはいかがでしょうか。

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今回のコラムがみなさまのお役に立てれば幸いです。

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【参考資料】

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020

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