こんにちは。コロナ禍での生活がだいぶ長くなりましたね。
巷のニュースでは、潜在的な感染者の数が多すぎて正確に実態を把握できないといったような話もたまに耳にします。
実際にCPAPでの治療が必要な人って本当はどのくらいいるのだろうかと、ふと疑問に思った次第です。
ということで、さっそく調べてみました!
■目次■
睡眠時無呼吸症候群の患者数は?
まずはじめに、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の潜在的な患者数について。
日本においては、2000年代はおよそ500万人いると推計されていましたが(※1、※2)、2019年に全世界の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)*の推定人数を調べた研究(※3)によると、日本では2,200万人にも及ぶと推計されています。
2019年の日本の人口は1億2,600万人。かなり多い印象ですよね。
この研究ではまた、日本は「最もOSASの多い国ランキング上位10位」にも選ばれています。
ちなみに同研究によると、全世界では約9億人いるそうで、その中で重症に当たる人だけでも約4億人と推計されています。
なんと、重症者だけでアメリカの人口(3億3000万人)を超えてしまっています。驚きの数字です。
なお、日本での重症者については、940万人(2,200万人中)と推計されています。これもすごい人数。大阪府の人口(880万人)より多いです。
CPAPが必要な方の人数は?
そして、ここからCPAPの話になります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020では、中等症以上の人はCPAPでの治療が必要とされています。
となると先の研究では重症患者だけでも約1,000万人いたため、実際はそれ以上の人が本来CPAPによる治療を要するということになりそうです。
現在、実際にCPAPを使用して治療している方は約50万人と言われています。
残りの950万人以上の方のうち、CPAP以外の治療法を選択されている方もいると思いますが、多くの方は、何もしていない状態ではないかと予想されます。
なお、CPAPは睡眠時無呼吸症候群の治療法としては第一選択とされています。
睡眠時無呼吸症候群の治療方法については、こちらのコラムでも紹介しています。
また、何もしていない方の中には、そもそも自分が睡眠時無呼吸症候群だと気づいていない方も、もしかしたら多いのかもしれません。
実際に、旅行先で友人からいびきを指摘されて発覚するといったケースも比較的よくあるようで、自分では気づきにくい病気であることも、この病気のひとつの怖さであると思います。
睡眠時無呼吸症候群は、そのままにしておくと、いろいろな合併症にもつながります。
夜中に何度も目が覚める、昼間の眠気が続く、などの症状がある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
もしそのような自覚症状がある場合は、まずは早めに検査されることをおすすめします。
また、合併症については、こちらもご覧ください。
さいごに
ということで今回は、CPAPが必要な人は本当はどのくらいいるのか?という話でした。
結論としては、めちゃくちゃいる!今すぐ治療したほうが良いレベルの人だけでも1,000万人近くいそう、ということでした。
あくまでも推計ですので実際のところは分かりませんが、個人的には、CPAPでの治療が必要な未治療者の方は、実際に結構多いのではないかと感じました。
今回のコラムがみなさまのお役に立てれば幸いです。
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*SAS(睡眠時無呼吸症候群)には、OSAS(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)とCSAS(中枢性睡眠時無呼吸症候群)がありますが、割合としてはOSASが圧倒的に多く、本コラムではSAS≒OSASという意味合いで扱っています。
【参考資料】
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020
※1)Relationship between sleep-disordered breathing and blood pressure levels in community-based samples of Japanese men
※2) Associations of sleep-disordered breathing with excessive daytime sleepiness
and blood pressure in Japanese women
※3) Estimation of the global prevalence and burden of obstructive sleep apnoea: a literature-based analysis