9月1日は「防災の日」です。地震や台風、豪雨などの災害に備え、非常食や飲料水、防災グッズを見直す方も多いのではないでしょうか。
特に直近では、最大震度7を観測した「令和8年熊本地震」や、警戒レベル5の特別警報が発表された「令和8年8月千葉豪雨」など、大規模な自然災害による広域停電のリスクが身近に迫っています。
CPAP(持続陽圧呼吸療法)を使用している方は、一般的な防災用品に加えて、停電時にCPAPを動かすための電源や、マスク・チューブなどの予備用品についても準備しておくことが大切です。
特に災害時には長時間の停電が発生したり、普段利用している医療機関や在宅医療会社へすぐに連絡できなかったりする可能性があります。
この記事では、「防災の日」を機に確認しておきたいCPAPユーザーの具体的な災害対策や非常用電源の選び方、事前に準備すべきチェックリストについて詳しく解説します。
- ■この記事でわかること■
- 〇 CPAPの災害対策と基本的な備え
- 〇 停電時に役立つ非常用電源の選び方
- 〇 予備パーツ準備と避難時のチェック項目
■目次■
・まとめ|「防災の日」をCPAPの備えを見直すきっかけにしよう
「防災の日」はCPAPの災害対策を見直すタイミング

「防災の日」は毎年9月1日です。また、8月30日から9月5日までは「防災週間」と定められており、災害への備えを総合的に確認する期間とされています。
CPAPは電気を使って空気を送り、睡眠中の気道を確保する医療機器です。そのため、地震や台風などによって停電すると、通常の家庭用コンセントからは使用できなくなります。
災害はいつ起こるかわかりません。停電してから電源を探したり、必要な消耗品を準備したりするのではなく、平常時から次のような備えをしておくことが重要です。
| 確認しておきたいもの | 主な目的 |
|---|---|
| CPAP用の非常用電源 | 停電時にもCPAPを使用できるようにする |
| AC・DCアダプター | 使用できる電源の選択肢を増やす |
| マスク・チューブなどの予備 | 破損や紛失に備える |
| CPAP本体の持ち運び用バッグ | 避難時に機器を持ち出しやすくする |
| 医療機関・機器会社の連絡先メモ | 故障や治療について相談する |
| CPAPの機種・設定情報メモ | 避難先などで状況を説明しやすくする |
日頃の防災用品と一緒に、「CPAP用の防災セット」も定期的に点検しておくと安心です。
CPAPで最も重要な災害対策は「電源の確保」

CPAPの災害対策で、まず考えておきたいのが停電時の電源確保です。
内閣府の防災資料でも、電源を必要とする医療機器を使用している場合には、災害前から使用機器や自宅の状況に合わせて複数の外部電源を確保しておくことが推奨されています。
ここでは、CPAPの非常用電源として考えられる代表的な方法についてご紹介します。
◆ 外部バッテリー
CPAPの機種によっては、メーカーが対応する外部バッテリーや電源アクセサリーを用意している場合があります。
外部バッテリーを準備するときは、以下の点を確認しましょう。
- ・使用しているCPAPの機種に対応しているか
- ・満充電で何時間程度使用できるか
- ・充電にかかる時間や保管方法
- ・バッテリーの寿命や交換時期
バッテリーは使用していなくても経年劣化します。「購入したから大丈夫」と考えず、防災の日など時期を決めて、充電状態や動作を確認することが重要です。
◆ ポータブル電源
市販の大容量ポータブル電源を使って、CPAPの電源を確保する方法もあります。
ただし、ポータブル電源であればどの製品でもCPAPに使用できるわけではありません。
確認したい主なポイントは、以下のとおりです。
- ・CPAPの消費電力に対して十分なバッテリー容量があるか
- ・必要な電圧・出力(正弦波対応など)に対応しているか
- ・AC出力・DC出力のどちらで接続するか
- ・CPAPなどの医療機器への使用が認められている製品か
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◆ 自動車(車中泊・シガーソケット)からの給電
CPAPによっては専用のDCアダプター(コンバーター)を用いて、自動車の電源(シガーソケット)から給電・使用できる場合があります。
自宅が停電していても、車を利用できれば電源確保の貴重な選択肢になります。
ただし、対応するアダプターや使用条件は機種によって異なるため、事前にメーカーや医療機器提供会社へ確認しておきましょう。
また、災害時に車で使用する場合は、一酸化炭素中毒を防ぐため、閉鎖された空間(ガレージ内など)でエンジンをかけないよう安全面への配慮も不可欠です。
CPAPはポータブル電源で何時間使える?
「ポータブル電源を用意すれば、CPAPを一晩中使えるの?」と気になる方も多いでしょう。
CPAPを稼働できる時間は、「CPAPの消費電力」「ポータブル電源の容量」「加湿器・加温チューブの使用の有無」「接続方法(ACかDCか)」によって大きく変わります。
たとえば、同じCPAP機器であっても、加温加湿器や加温チューブを使用すると消費電力が何倍にも大きくなる場合があります。
そのため、単純にポータブル電源のスペック数値だけを見て「〇時間使える」と判断するのは危険です。購入前にCPAPの取扱説明書で消費電力を確認し、ポータブル電源メーカーや機器提供会社へ接続可否を確認すると安心です。
大規模災害時には長期間の停電も想定されるため、可能であれば一晩だけでなく、数日間にわたって電源を確保する手段(ソーラーパネルでの再充電など)も考えておくとよいでしょう。
停電時は加湿器を切ればCPAPを長く使える?
加温加湿器や加温チューブは電力を大きく消費します。そのため、対応するCPAPではこれらを使用オフにすることで、バッテリーの消費を大幅に抑えられる場合があります。
ただし、加湿器の必要性は使用者個々の症状によって異なります。
もともと鼻や喉の乾燥が強い方などの場合、加湿を完全に中止すると強い痛みや鼻閉が生じ、かえってCPAPを使い続けにくくなることもあります。非常時にどのような設定で運用するかは、あらかじめ主治医や機器提供会社へ相談しておくのが賢明です。
なお、自己判断で治療圧(設定圧力)などの根本的な設定を変更することは絶対に避けましょう。
CPAPのマスクやチューブなどの予備も準備する
災害時に必要なのは電源だけではありません。
CPAP本体や電源が正常でも、マスクやチューブが破損・紛失してしまうと治療を継続できなくなります。
防災用品と一緒に、次のようなCPAP関連用品の予備も確認しておきましょう。
- ・予備のマスク本体、または交換用部品
- ・CPAPチューブ(ホース)
- ・マスククッション
- ・エアフィルター
- ・電源コード・ACアダプター
- ・(車用)DCアダプター
- ・持ち運び用のキャリングバッグ
ただし、必要な交換周期はパーツや機器によって異なります。すべてを大量に蓄え込むのではなく、普段の交換周期を踏まえて「次の交換用パーツを1セット早めに手元に確保しておく」といった無理のない備え方がおすすめです。
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避難するときCPAPは持っていく?
自宅から避難所などへ避難する必要が生じた場合は、まず生命の安全を最優先に行動してください。
状況に余裕があり安全を持ち出せる場合は、CPAP本体・マスク・チューブ・電源アダプターを一式まとめて持ち出せるように準備しておきましょう。
普段からCPAP付属の専用キャリングバッグに必要なものをまとめて保管しておけば、緊急時にも素早く持ち出すことができます。
また、避難所では以下の項目について確認が必要になります。
- ・医療機器用の電源コンセントが使用できるか
- ・指定された就寝スペースでCPAPを使用できるか
- ・電源までの延長コードが必要になるか
自治体によって避難所の設備や対応方針は異なります。自宅周辺の指定避難所や福祉避難所の設備について、平時から自治体の防災窓口等で調べておくことも大切な防災対策です。
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CPAPの機種名や医療機関の連絡先を控えておく
災害時には、基地局の被災等によりスマートフォンで普段通り情報を検索したり連絡を取ったりできるとは限りません。
緊急時にスムーズに相談できるよう、以下の重要情報を紙のメモに書き写して防災バッグへ入れておくことを強く推奨します。
- ・CPAPのメーカー名および正確な機種名
- ・機器のシリアルナンバー(管理番号)
- ・通院中の医療機関名・主治医・電話番号
- ・CPAPを提供・レンタルしている会社の緊急連絡先
- ・使用しているマスクの種類とサイズ
- ・設定圧力や加湿設定の情報
スマホのメモ機能や写真に保存しておく場合でも、停電によるバッテリー切れを想定し、必ずアナログな紙のメモを一緒に保管しておきましょう。
災害が起きる前にCPAPを実際に動かしてみる
防災用品は「持っているだけ」では十分とは言えません。
特にCPAP用の非常用電源やポータブル電源については、実際の停電を想定して事前に動作テストを行っておくことが極めて重要です。
以下のステップでテストを行っておくと、いざという時にも焦らず対応できます。
- 1. 外部バッテリーまたはポータブル電源を満充電にする
- 2. CPAP機器を正しいアダプターで接続する
- 3. 正常に送気が開始され、エラー表示が出ないか確認する
- 4. 数時間~一晩使用してみて、どれくらいバッテリーを消費するか計測する
- 5. テスト終了後、非常用電源を再度満充電にして保管する
なお、接続方法や対応電源については、必ずお手持ちの機器の取扱説明書やメーカー公式案内を遵守してください。
「防災の日」に確認したいCPAP防災チェックリスト

9月1日の「防災の日」や防災週間には、ぜひ以下のチェックリストを使ってご自身の備えを確認してみてください。
- □ CPAP本体が正常に作動しているか
- □ 非常用バッテリーまたはポータブル電源を準備しているか
- □ バッテリーが現在満充電状態になっているか
- □ CPAPと非常用電源を実際に接続して動作確認を行ったか
- □ 電源コードやAC/DCアダプターに断線や破損がないか
- □ マスクやチューブ、フィルターなどの予備があるか
- □ CPAP一式をすぐに持ち出せる専用バッグがあるか
- □ CPAPのメーカー名・正確な機種名を把握しているか
- □ 主治医・医療機関の緊急連絡先を紙にメモしているか
- □ CPAP提供会社の連絡先を紙にメモしているか
- □ 自宅周辺の指定避難所・福祉避難所を確認しているか
- □ 避難時の持ち出し手順や家族との連絡方法を決めているか
年に1〜2回チェックする習慣をつけるだけでも、バッテリーの自然放電や予備パーツの期限切れに早期に気づくことができます。
災害時にCPAPが使えない場合はどうする?
万が一、長時間の停電や機器の不具合によりCPAPが使用できなくなった場合の対応は、睡眠時無呼吸症候群の重症度や基礎疾患の有無によって異なります。
そのため、「使えなくても数日なら大丈夫」と自己判断することは危険です。
特に重症の睡眠時無呼吸症候群の方や、心臓疾患・呼吸器疾患などの持病をお持ちの方は、「CPAPが使えない緊急時にどう対処すべきか」について、普段の診察時にあらかじめ主治医へ指示を仰いでおくことが大切です。
また、機器の故障や不具合が疑われる場合は、無理に使用せず、速やかに医療機関や機器提供会社のサポート窓口へ連絡しましょう。
まとめ|「防災の日」をCPAPの備えを見直すきっかけにしよう
地震や台風などの災害による停電は、予告なく発生します。普段あたり前に使えているCPAPが突然使えなくなるリスクに備え、平常時からの準備が欠かせません。
CPAPユーザーが押さえておくべき防災のポイントは以下の通りです。
- ・非常用バッテリーやポータブル電源を準備し、満充電を保つ
- ・事前に実際の接続・動作テストを行っておく
- ・マスクやチューブなどの予備パーツを早めに確保する
- ・専用バッグにまとめ、すぐに避難持ち出しできる状態にする
- ・主治医や提供会社の連絡先・機種情報を紙のメモで残す
「防災の日」を絶好の機会ととらえ、ご自身のCPAP防災環境を今一度見直してみてはいかがでしょうか。
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